2009年9月24日

誤審




えー、ジャスティスさんと家本さんの活躍を書いた名著!ではありません・・・

最初から重い!田舎の誠実だが貧しい出稼ぎ農家の父親が冤罪で逮捕され、一家が崩壊、長女が自殺、次女が失踪、3女は真相を知らないまま殺人犯の娘と言う事を隠し看護婦になる。結婚するも真相がばれ離婚、父親の冤罪は晴れ無罪が確定するも母親が死去。その後父親も死去。失意の主人公は担当する緩和ケアの担当患者である真犯人との出会いにより、長女が殺人者の親という苦痛のみで自殺したわけでなく更に真犯人の教師に性的暴行を加えられていた事が判明・・・

その後、残った遺族(3女・4男)と数々の性的被害を受けた被害者が末期がんにより自由が利かない性的倒錯者である犯人を自らの誘惑により犯罪者である事を確信、その後執拗にその他の何人もの被害者とともに犯人を虐待?していくと言うお話。結局真犯人は別にいてこれもまた「誤審」である訳なんですが、十分に加害者の一人なので違和感はそんなにありませんでした。願わくばここにもう一ひねり出来たら更にタイトルの持つ言葉に意義が生まれたかも。つーかこれミステリーじゃなくてホラーですよ。話が深いし怖い。犯罪者とわかってからの展開がまさかこうなるとは!って感じ。読後感もあまり良くないし。人々の心に横たわる闇の恐ろしさを書いたドロドロ本、宮部みゆきっぽいのか。

食事前に読むのはあまりお勧めしません(笑)でもこの人の作品はまた読んでみたいな。

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