何となく借りてみた。タイトルのベタさに負けたか・・・ 3部構成になっていて、それぞれの視点が違う作品。第一部が主人公とヒロインとの愛、そして別れ(やくざとの抗争であっさりヒロイン死んじゃいます)第2部が主人公を追う刑事と巨悪を暴く検察の攻防、第3部がまとめ?
読後感は悪くないんだけど、この人主人公は実はどうでも良くて検察がらみの話が書きたかっただけじゃないかなと。バイオレンスとサスペンスは第一部のみで後は主人公かなりグダグダだし。最後の岸川を襲うところも思考的に追い詰められたというより警察に見つかったから感ありありだし、そういえば第一部のやくざとの抗争も偶発的な感あり。主人公とヒロインの運命的な出会いも弱い・・・ 会っただけでお互いそこまで愛し合うのか?戦後の時代背景とか雑多な感じは伝わってくるので、余計に人間描写のご都合主義的なところが目に付いてしまう。
読み終わって調べてわかったんだけど、この本は現在出版されてないそうです。文中にも出てくる実在の記者が書いたノンフィクションを文中に織り交ぜて大胆に加筆しているらしい。意欲的な試みだけど著作権の問題でアウトみたい。
そうやって考えるといくつかの不自然な点が納得できる。全体的に硬派で読み応えはあるだけに残念・・・
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