2009年10月25日

沈庭魚



こちらも江戸川乱歩賞受賞の公安警察もの。 はっきり言って面白かった、公安ものってとにかく変わり者が多くて内部で喧嘩ばっかりしてる印象だけど、これも正しくその通り(笑)

■不破は、警視庁公安部外事二課所属の刑事。中国と北朝鮮に関する国際諜報活動・情報収集が仕事だ。相棒は無口な若林刑事である■――その日、日本に激震 が走った。「毎朝新聞」一面に現職国会議員が中国に機密情報を漏洩した疑いがある旨の記事が掲載されたのだ。しかもその議員は与党閣僚経験者とあった。大 物保守政治家の中に中国のスパイがいるという驚くべき内容だ。情報元は米国に亡命した中国人外交官■当初警察は当該情報をガセネタとして黙殺姿勢をとって いた。だが、数日後、不破は今抱えている仕事から外れるように指示を受け、公安会議室に行く。会議室に集められた30名の捜査員たちは、エリート女性幹 部・凸井(とつい)理事官から驚くべき情報をもたらされる■亡命外交官が漏らした情報《閣僚経験者の大物沈底魚がいる。暗号名はマクベス》は信憑性がある ので捜査せよというのだ(「沈底魚」とは指示があるまで何年も一市民として暮らすスパイのこと)■捜査を進める不破の前に、相棒・若林の二重スパイ疑惑や 公安刑事同士の反目と内ゲバ、凸井理事官の不審な行動などが次々浮上し、ついに命まで狙われる。果たして事件の真相は? 沈底魚は誰なのか? 裏切り者 は? 後半相次ぐどんでん返しで、最後の一頁まで気を抜けない小説。

ものごっつい伏線があるように感じますが内容はいたってシンプル。テンポ良く物語は展開していくし、ある程度難解な所があっても気にせずに読んでいった方が良い作品だなと感じました。他の作品も有名どころがあるみたいなので読んでみようかなと。特に最後の20ページくらいの疾走感は読んでいて気持ちよかった、良作です。

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