2009年11月7日

グラスホッパー



 伊坂幸太郎初期の作品。前回王求くんの冒険に感情移入できなかった身としては、これこそ伊坂ワールドだろうと。初っ端から奥さん亡くなってる主人公のドタバタ劇からスタートし、何人もの殺し屋が出て、残酷な描写も多いんだけどそれを不思議とさらっと読ませるのが流石です。読後感も悪くなく読んで良かったなぁと。

しかし、この人の作品は身近な人の死や喪失体験がベースになっている作品が多いね。ともすれば重いテーマを笑い飛ばす登場人物の生き方がうらやましく映ります。無理に我慢するのではなく、それはそれで受け止めた後に「それでも生きていくしか無いじゃん」というスタンス。共感します。

0 件のコメント:

コメントを投稿