2011年9月10日

ゴールデンスランバー




伊坂幸太郎作品の集大成との呼び声が高かった一作。以前から読みたかったんだけど何となく読むのがもったいなかった感あってズルズルと読むのを先送りしていましたが一ヶ月程前に読了。

どちらかと言うと今作は「魔王」や「砂漠」の様にペシミストな伊坂さんが顔を出しています。でも、もともと伊坂作品は現状をあるがままに受け入れる許容とある種の諦念が「らしさ」に繋がっているのでもちろんありなのですが。

おおざっばな感想としては、風呂敷広げすぎちゃったかなと。もちろん伊坂ワールドは全開で軽妙なトークの連続でストーリーはテンポ良く進むけど、今回に限っては周囲が全員敵とも言える環境でご都合主義的に手を貸してくれる周囲にちょっと拍子抜け。あとね、お父さんの下りがとても感動的なんだけど、俺そこは多分映画の予告かなんかで先に見ちゃってたんだよ… 何の予備知識もなくあれ見せられたらもっと涙腺が決壊してたんだけど、ちょっと悔しい。

ラストももう少し救いがあると個人的には嬉しかったな(笑)ともあれ、やっぱり泣き笑いで締めるあたりは流石でした。「魔王」のもやもやが「モダンタイムス」でややさっぱりした様にこれからの作品で主人公の救いを書いて欲しい気がします。キルオもちょこちょこ出てくるキャラになるんでしょうね。

もう少しテンポ良く本が読めれば良いのだけど、次は何読もうかな。

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