2009年8月31日

ドリブル小僧養成所

サッカーの指導に置いて、低学年の時期に必ず教えたい事の一つに「ドリブル」があります。堅苦しい話になってしまうのですがかいつまんで。

サッカーは11対11で行う物ですが、局地的な要素を見てみると全て1対1が基本となります。そこをおろそかにしてしまうと将来サッカーを続けるにあたって大変損をする事になると思います。良く正しい選択をさせようとして「そこはパスだ!」とか「前に向かって思い切りけれ!」と言った応援をされている父兄や「お前は持ちすぎだ!」等と怒っている指導者がいますがそれは大きな誤りかと。低学年の指導で一番大切なのは「ボールを運ぶ」技術を教える事です。相手の陣地に1cmでも自力で近付くべく何度もトライを続けることによって自然と闘争心や駆け引きが身についていきます。自分のチームは持ったらとりあえずドリブル、獲られたらひたすら追いかけます。周りの子も自然とボールに集まるので団子サッカーになっていくのですがそれで問題無いと思います。

低学年の子達はまだ状況に応じた選択が出来るような状況にはありません。自宅ですぐに忘れものをしたり、掛け算割り算を頑張って解いている息子を見ると微笑ましくあります。その年代の子に「この状況はこうだよ」「その時はこうしなくちゃ」と話してみても委縮するだけで良い結果には繋がりにくいと思います。のびのびと自分の能力を最大限に発揮させるためにはやはりドリブル指導が一番適していると思います。無責任な蹴りこみや逃げパスに関しては「宝物は自分で運ぼうぜー!」と指導しています。もちろん、その子の技量に応じては蹴りこみや逃げパスしかできない場合もあるので「それはダメだ!」とは言いません。指導は基本褒め殺しで。良かったプレーは褒めて、ダメなプレーは黙っていれば、子供は本質的に褒められるプレーをどんどんして行く事になると思います。

ボールを止める、蹴る。こうした行動の裏には「しっかり運べる」技術が不可欠です。小学校低学年で10人抜いてシュートまで持って行ける子は高学年で5人は抜けます。中学~高校年代では2~3人は抜けるでしょう、大人になったら1人は抜けるようになります。大きくなるにつれ抜ける人数は減っていくので、この時期にしっかり指導をして行かないと大きくなった時に「勝負できないプレイヤー」になってしまう恐れがあるのです。自分のチームの高学年生はどうでしょうか?大人しいパスサッカーになっているとすれば、低学年時にリスクを恐れて勝負を避けていた弊害が出ているのかもしれません。

大人のサッカーと子供のサッカーは違います。パスサッカーは華麗で美しく効率的ではありますが、それはしっかり運べる基礎技術が不可欠です。子供のうちからパスサッカーを教えると言う事は将来の芽をつぶしかねないと思います。全員持ったらがむしゃらに切り込んで自分でゴールをもぎ取る姿勢、それこそが正しい指導だと思ってます。サッカーの基本からすれば「無理せずリスクを避けてパス」が正しい事も多々ありますが、子供のサッカー指導ではそれでは基礎技術が身につかないと言う事ですね、難しい所です。

2 件のコメント:

  1. 日本バスケも同じような事が。
    ミニ・バスっていう日本独自ルールの弊害が出てる。
    走って走って投げて投げて。
    小学生で大きい子にはリバウンドとロングパスしか教えないから、中学上がって背が伸びなかったら何もできない。


    しかし、本場アメリカじゃ逆
    5人はボール持ったら勝負、勝負、勝負。
    で、高校まで個人技のみw

    その中で才能のある子だけが大学に進み、そこで本格的にチームプレイを学ぶ。

    ただ、アメリカの子供は、春夏ベースボール、夏秋アメフト、秋冬バスケ、冬春サッカーとか陸上とかを2種目はやっている。

    好きなのは:バスケ
    進められて:陸上
    プロになれそう:ベースボール

    みたいな選択肢が山ほど。


    これ以上は長いからこの辺にしとくw

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  2. ほほぅ、ミニバスケットの弊害か・・・
    確かに戦術的にリスクを無くすとどうしてもフィジカル勝負の放り込みになるからね。どのスポーツも似たような傾向にあるよね。育成年代での過剰な勝利至上主義、何とかならんもんかな。

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